ドラえもん映画と言えば40年以上作られ続けている不朽の名作です。
大人になってから見ても子供のころのワクワク感を思い出させてくれるなど何度も見返してしまうような内容になっています。
今回は大人になってから見たドラえもん映画の中で悪役のマネジメント力に関して紹介していきます。
この悪役凄くない!!?
改めて観るとなかなか驚きの能力を有した悪役もいるので注目してみると面白いと思います。
悪役が有能なのかドラえもんが無能なのか?
ドラえもんの映画はドラえもんかのび太のうっかりによって事件に発展してしまうことが多く、大人になってから見るとひみつ道具の管理の甘さにヤキモキしてしまうところがあると思います。
トラブルのもとになったひみつ道具の使用例
- もしもボックスで魔法の世界にしたら悪魔が出てくる
- ヒーローマシンを出しっぱなしにして妖怪が出てくる
- 卵コピーミラーで悪人が大増殖する
ドラえもんは22世紀製のロボット(子守りロボット)なので管理が雑なのはよくありませんが、のび太達は小学生のためある程度は仕方ないと言えます。
対比してドラえもん映画に登場する悪役はなかなか有能に写る場面がところどころ見受けられます。
超有能!! チートを打ち破る魔王デマオン!!
ドラえもん映画の敵役の中でもひときわ有能なのは魔王デマオン。
多くの子供を恐怖に陥れた魔王デマオンは「ドラえもんのび太の魔界大冒険」のラスボスです。
ドラえもん映画はトラブルが起きて解決のためにひみつ道具を駆使して戦います。
往年のドラえもんファンに無敵と考えられるひみつ道具をいくつか挙げてもらった場合
- タイムマシン
- いしころ帽子
この二つは間違いなく入ってくるでしょう。
なんと魔王デマオンはこの二つを打ち破っています。
あらゆる映画作品でドラえもんたちはピンチに陥っては逆転!!というのがパターンで魔界大冒険も例外なく最後は逆転するわけですが、めちゃめちゃ追い込まれます。
多分全作品の中で一番追い込まれます。
タイムマシンを使う時点でかなりの反則技なんですが、最後はそれをさらに超えた反則技で逆転するのであれがなければデマオンには勝てないはず。
威力偵察を行う慎重な魔王デマオン
魔王デマオンはドラえもん映画の適役の中では珍しく「偵察を放つ」という発想を持っている悪役です。
魔界大冒険はもしもボックスで魔法を使える世界にしたことで悪魔まで出てきてしまうわけですが、のび太達が悪魔が出てくることを知るのは作品ヒロインの美夜子さんとその父:満月博士に会って魔界接近説を知ってからになります。
悪魔の襲撃を受けた美夜子さんと満月博士。
偵察&襲ってきたのは下っ端悪魔と使い魔。
子供のころの筆者が驚いたのは偵察に来ている下っ端悪魔が結構強いことです。
物語の序盤に出てくるので明らかに敵の下っ端であるはずの悪魔が強い!
登場した時の感覚として美夜子さんは魔法の世界でエリートであり強い戦士である印象を受けるのですが、1対1では下っ端悪魔にも適わないという描写に衝撃を受けました。
最近のアニメ作品では少ないかもしれませんが、昔のアニメは明確な雑魚キャラがいて雑魚キャラを簡単に倒すことでメインキャラの強さを演出するという定番パターンがあります。
そんな演出に慣れている子供が見たら「そんなバカな!!」ってなりますよね。
ここでわかる魔王デマオンの有能さ
- 偵察を送る周到さ
- 偵察にも一定の強さの部下を送り込む慎重さ
- 仮に偵察が最下級の悪魔だったとした場合、美夜子さんが1対1では倒せない悪魔を育成する育成能力の高さ
魔王デマオンに学ぶ、事前準備の大切さとリソースの重要さ
現実の会社に置き換えるとと事前の準備が大切であることを教えてくれるパートです。
下調べも根回しもしないで仕事をしている人が周りにいると思います。
また根回しなどの事前準備と同じように人材を準備することの重要さもわかります。
現実ではここに使える費用など様々なリソースの要因が絡んでくるので、大元として情報があっても人手が足りなければ結局は仕事になりません。
情報も人手もお金も足りないのに「なんとかしろ!」と喚いているおっさんは一度魔界大冒険を見る事をオススメします。
セキュリティを破られるという不祥事が起きても原因究明しすぐに対策を打つ魔王デマオン
ドラえもんたち一行は魔王デマオンを倒すために悪魔の国に行きます。
なんやかんやあって魔王の城にたどり着いたドラえもんたちは城の中に潜入するためにスーパーチートひみつ道具「いしころ帽子」を使用します。
いしころ帽子
かぶるとそこらへんの石ころのように気にされなくなるひみつ道具。
ドラえもん作品では敵の陣地に潜入するときはほぼ毎回使われます。
声を出さない限りほぼバレない。
原作登場時は匂いもなくなり触ることもできないのですが、魔界大冒険では見えなくなる程度です。
いしころ帽子を使って魔王デマオンのいる部屋までたどり着いたドラえもんたちはデマオンを倒すために銀の矢をデマオンの心臓めがけて投げます。
しかし倒せるはずの攻撃が効かなかったドラえもんたちはデマオンに城から遠くに吹き飛ばされてしまいます。
簡単に敵を排除するデマオン有能。
ここからのび太の逃走シーン。もちろんいしころ帽子を被って逃げるので姿は消えています。
魔王の城は階段に見張りを立たせるなどセキュリティ的には全く問題ありませんでしたが、いしころ帽子によってデマオンの部屋に侵入されてしまいました。
仮に警備会社だとしたら致命的な不祥事です。
デマオンにとって今回の不祥事は敵の侵入を許してしまったことですが、まずは敵(ドラえもん)を倒さなくてはいけません。
そこでデマオンはすぐに大量の追手を放ちます。
追撃に出た悪魔の隊長が出した指示
敵は姿を消している!!
においをたどれ!!
これは有能。
悪魔の城で姿を現したのはデマオンの前でだけなので姿を消して逃走しているであろうことを隊長に伝えていたのでしょう。
そして悪魔の集団の捜索によって無敵のいしころ帽子が破られ美夜子さん・しずかちゃん・ジャイアン・スネ夫が捕まります。
ここでわかる魔王デマオンの有能さ
- 侵入者を打ち払う実力がある
- すぐに大勢の追手を差し向ける組織力
- 部下との迅速な情報共有
魔王デマオンに学ぶ 情報共有とプライオリティー(優先順位)の重要さ
デマオンはある意味ワンマン経営者なので現実の会社とは違ってくる部分がありますが、このパートで押さえておきたいのは情報共有の重要さとプライオリティ(優先順位)を決めることです。
情報共有に関してはドラえもんたちが姿を消して城に侵入していたということ、探すにあたってドラえもんたちの情報を共有することで効果的な行動がとれます。
次にプライオリティ、敵の侵入を許すという失態に対して部下を叱責することなくあっという間に事態解決に向かって行動を起こしています。
トラブルが起きた時に解決に向かって行動をとるよりも、何かと他者を糾弾することに力を入れている上司っていませんか?
もちろんミスを犯した以上責任の所在をはっきりとさせておくのは大事なことですが、トラブルを解決することをほったらかしにしていつまでもグチグチと言っているような上司もいます。
仕事においてプライオリティを間違えるとうまくいかなくなることが山ほどあるので一度仕事を見直してみましょう。
完全に部下任せにせず、自分でも捜索する魔王デマオン
逃げ切ったドラえもんとのび太は魔王の城のほど近くの森で合流します。
ひとしきり落ち込んだ後に最終手段としてタイムマシンで「今までのことをなかったことにしよう。」という超反則技に出ます。
しかし何と魔王デマオンこのドラえもんたちの姿を水晶玉で見ています。
部下たちには足での捜索をさせて、自らはスパイ衛星で監視するかの如く捜索していたわけです。
これは有能。
稀に上のポジションに行っても自分の役目がわかっておらず「俺は現場主義だから!!」と勘違いしているおっさんがいますが、ある程度のポジション以上の人間は部下と一緒になって現場仕事をしていてはいけません。
適材適所の人材使用術を披露する魔王デマオン。
タイムマシンで過去に戻って魔法の世界をなかったことにしようとするドラえもんたち。
そんな超反則技にデマオンはメデューサを差し向けます。
時間の流れの中を追ってくるまさかの展開にドラえもんとのび太は大パニック、逃げ切れずに石にされてしまうのでした。
ここで変に自分が頑張らずにメデューサを起用するという判断。
これは有能。
結局逆転されてしまうとはいえ通常であれば石になってしまえば詰みのはずなので、これを詰めが甘いというのは少し酷だと思います。
まさかあんな方法で逆転するとは…。
魔王デマオンに学ぶ チームメンバーの能力を把握しておくことの重要性
チームを組んで大勢に人間と働くようになると、自分が指示出しをする立場かどうかは関係なく他の人間の能力を把握しておく必要が出てきます。
専門性の高い仕事の場合「何ができるか?」ということももちろん重要ですが、仕事によっては「何ができないか?」ということを把握することも重要になってきます。
アニメと違い現実では普段からコミュニケーションをとっておかないとわからないこともあるので、簡単なあいさつ程度からでもコミュニケーションをとるように心がけましょう。
自分が倒されないように油断しない魔王デマオン
言い伝えでは心臓に銀の矢を打ち込めば倒せるはずのデマオン。
しかし自分が倒されないように心臓を別の場所に隠しています。
敵を薙ぎ払うだけの実力がありながらそこまで用心深いとは有能としか言えません。
細かいことを言うと詰めの甘いところがあるかもしれませんが、そこまで求めるとドラえもんたちが勝てる要素がなくなってしまうので物語上仕方がないでしょう。
魔王デマオンに学ぶ リスクコントロールの重要性
これは言うまでもなく自分の急所である心臓を別の場所に隠しておくことです。
これが功を奏してドラえもんたちの襲撃を退けています。
一つのプロジェクトがうまくいかなかった場合に備えてほかの案を用意しておくことは少なくありません。
仕事は丁半博打ではないので、自分に絶対の自信があったとしてもリスクコントロールを考えてトラブルへの対処法を用意しておくことが重要です。
まとめ
今回はドラえもんのび太の魔界大冒険の悪役「魔王デマオン」を例にマネジメントについて考えてみました。
子供向けの作品の登場する悪役ですが、かなり有能だと言えるのではないでしょうか?
出した時点で勝利確定といった印象があるひみつ道具の中でも無敵と考えられる二つの道具を破ったデマオン、その裏には現実にも通用するマネジメント手腕があったということです。
難しい経営の本を読むのも楽しいですが、まずはドラえもんをマネジメントの入り口にしてみてはいかがでしょうか?
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