「漫画の実写化は成功しない」という言葉が当然に感じるほど駄作が山ほど積み重ねられてきた漫画の実写映画化。
そんな感覚が当たり前になった2019年に往年の名作「シティーハンター」がフランスで実写化されました。
今回はフランスで公開された「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」について紹介していきます。
まず最初に言っておくと筆者はこの作品は大好きです。
この作品を製作に関わったすべての方に感謝を伝えたいレベル。
近年原作を見もせずに実写化をするクソ監督どもは一度この映画を見ろ。
この映画には漫画実写化の真理が詰まっている。
「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」あらすじ
ある日シティーハンターのニッキー・ラーソンはとある香水に関して依頼人と会う事に。
いわゆる惚れ薬であるという香水の効果に関して眉唾であったニッキーだったが、依頼人のオジサン相手に自分自身がその効果を体験することになりビックリ。
しかし香水の効果を無くす解毒薬を使う前に香水が奪われてしまう。
「このままでは香水が悪用されてしまう!!」という事で香水を取り戻して解毒するために依頼を受けるのであった。
ところが行く手には香水を狙っている悪の組織と色ボケはげおやじとパンチョ!!
どうするニッキー!!
ギャグありお色気あり激しいアクションシーンありの正しいシティーハンター!!
漫画実写化の恐怖…
ハリウッドで実写化されたドラゴンボールの悲劇を知っている方であれば
やれやれ、また外人が小銭稼ぎのために実写化するのか…。
そう思う方がほとんどのはず。
ドラゴンボールの実写映画『DRAGONBALL EVOLUTION』がお金と労働力と俳優の魅力をゴミにするという錬金術を世界に披露した映画として有名なので無理からぬことでしょう。
冒頭で書いた通り、最近は実写化する漫画の原作を読みもしないクソ監督どもがインタビュー記事でどういうつもりか得意げに「原作を読んでいない。」とのたまっているのをいくつも見ているので「漫画+実写化=駄作」というのが常識です。
筆者も正直そう感じていたので最初は食指が動かなかったのですが、ラショー監督が製作に至った経緯について知り今回拝見することにしました。
インタビュー記事も素晴らしいので是非ご覧ください。↓
『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』公開中! フィリップ・ラショー監督インタビュー
途中の山寺さんと神谷さんの香水についてのやり取りは映画を観ると意味が分かります。
とにかく「シティーハンター」の原作愛に溢れた素晴らしい作品です。
原作を大事にしているという事が本当に重要だと教えてくれたラショー監督
漫画の実写化で勝手なアレンジをやる人間が多すぎる
確かに最近の若い方・シティーハンターの原作漫画・アニメに触れたことのない方からしたら原作を知っている人間にしかクスッと出来ないネタもありますし、ギャグも昔懐かしの古臭いノリではあります。
でもね。
「シティーハンターの実写化映画」として観るこっちからしたら「シティーハンター」が観たいんですよ!!
シティーハンターだと思って観たのに訳の分からん映画だったら最悪の気分になるんですよ。
飲食店に行ってオムライス頼んだのに訳の分からん創作料理を出されて「これがうちのオムライスです^^」って言われたらどう感じますかっ!?
しかも激マズッ!!
知らねーよお前の都合なんて!!
オムライス頼んだんだからオムライスを出せ!!
アレンジするにしても「オムライス」って呼べる範疇でやれ!!
そもそもオムライスについてちゃんと知っとけ!!
原作の知識や敬意も原作ファンへの配慮も欠けてるくせに自己主張を優先するな!!
何様のつもりだ!!
こうなりますよね。
少なくとも筆者はこうなります。
つまり原作を大事にしてくれているラショー監督は本当に素晴らしい。
ご自身が原作ファンだという事もありとにかく観たい「シティーハンター」を魅せてくれたという事は間違いありません。
原作に忠実であるという喜びと感謝と満足感
漫画を原作にするとどうしても現実的ではない描写も含まれているという事になるのである程度は現実とすり合わせる必要があるでしょう。
もちろん本作「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」でもモッコリの描写などは抑えられています。
実写でやると映像倫理的にちょっとまずいですからね。
それでもそれなりに下品なギャグもあるのでそこもポイントになっていて原作と現実のすり合わせのバランスが秀逸です。
個人的にシティーハンターのポイントはギャグとシリアスのバランスだと考えているので、ちょっとした顔芸や序盤の振りがちゃんと最後の射撃シーンに効いていて「おぉっ」となりました。
アクションシーンが微妙になる部分はご愛敬
アクションシーンでちょっと微妙かなと感じる部分は確かにありました。
まぁ、それぐらいいいでしょう。
この映画は監督自身が主演を演じているのですが「できる事とできない事」「やりたい事とできない事」をしっかりと考えて作っていることが感じられます。
作品の都合上避ける事が出来ない部分は撮影方法でうまくまとめているので「悪印象」とまではいきませんでした。
次回作にも期待しましょう。
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