「邦題にすると実際の内容とかけ離れてしまう」、そんな事が少なくありませんがこの作品はその代表作と言えるかもしれません。
邦題を付けたのが日本の配給会社だとしたら「とりあえずジャッキーの映画なんだから文句ないだろ?」という傲慢さすら感じます。この邦題を付けた責任者は仕事をやめた方がいいですね。
まず内容についての紹介の前に映画を観た全員が思い切り首をひねる部分なので書いておきます。
アクションシーンがふんだんに盛り込まれたジャッキー映画
本作のメイン登場人物
- リン:ジャッキー・チェン
- 悪の組織から陰ながら娘を守り続ける刑事
- リ・スン:ショウ・ルオ
- ある情報を盗み出したことからリン(ジャッキー)と一緒に行動する青年、ガバ設定で縦横無尽に活躍する。
- ナンシー:オーヤン・ナナ
- リンの娘、幼い頃死の淵から生還する要因となったある秘密を体に宿している。おとなしい見た目と裏腹に意外と武闘派。
- アンドレ:カラン・マルヴェイ
- 人体実験で生まれた兵士、リンを恨みナンシーを狙っている。初登場時のあまりの強さに後半修正が入った印象。
- スー:エリカ・シアホウ
- 警察の主任、リン(ジャッキー)の副官ポジション。この人のビジュアルとアクションをキレイに撮るためのカットが多すぎてこの人のための映画かと感じるレベル。
ジャッキーのアクション(シリアス寄り)が観たい人向けの映画
本作はとにかくアクションシーンが多め。
冒頭始まっていきなりカーアクションから始まるので正直呆気にとられます。
特に何かの伏線になるという事でもないので「ジャッキーのカーアクションを撮りたかったんだな。」という感想です。
本作はこのような「とにかくジャッキーのアクションを魅せる。」という内容になっており、以前紹介したジャッキー原案の「ラストソルジャー」はジャッキーアクションは控えめな脚本重視の内容になっていましたので比べてみると同じジャッキー主演の映画と言っても脚本の方向性の違いというのが際立ちます。
ストーリの内容が非常にシリアスな内容になっているので往年のジャッキー映画のようなコミカルな雰囲気のアクションではなくアクションシーンもシリアスなものが多いです。
その代わりにリ・スン役のショウ・ルオが本作でのコメディパートを担当しています。
オペラハウスでの戦いが一番の見どころ
本作の舞台は中国→シドニー→中国と移動していきます。
ジャッキーファンが観たいアクションシーンがあるのがシドニーのオペラハウス。
むしろそこしかない。
「WHO am I」を彷彿とさせるシーンがあるのはうれしいところです。
アベンジャーズとかのハリウッド映画に寄せている。正直脚本が微妙
作品のテーマや映像の雰囲気などが近年のハリウッド映画に近いです。
それをどう感じるかどうかは人それぞれですが、筆者は正直ジャッキーアクションにSFチックな内容は合わないのかなと感じました。
設定投げっぱなしな感じ多め
全体を見ると最後まで「こいつのこれどうなったの?」というのが少なくありません。
筆者は「全部の設定を回収してくれないとイヤッ!!」というタイプではないのですが本作はちょっと気になる部分が多すぎてストーリー自体が上手いことは言ってこないレベル。
特にそういった設定の甘さを気にするタイプの方は見ない方がいいと思います。
特にジャッキーにフォーカスするあまりジョン・ルオ演じるリ・スンの設定はかなりガバガバ。
残念ながらこの詰めの甘さはB級映画感強め。
繰り返しますが筆者は設定の甘さなどを意地悪に観るタイプではなく、どっちかというと「まぁいいんじゃない。」ぐらいの感覚の人間ですが、それでもかなり気になりました…。
最後の敵のアジトへの潜入方法はかなりガバいです。
まとめ
筆者は小さいころからジャッキー映画を見てきたので、「ジャッキーの映画」と言うだけで一定の満足感があります。
あくまで予想ですが本作に「ポリスストーリー」の邦題を付けた配給会社の方も同じような世代なのではないでしょうか?
ただこれをジャッキー映画に触れずに来た方が観た場合、はっきり言って楽しめないと思います。
ポリスストーリーというタイトルにひかれて観ましたが「ポリスストーリー」とは主題歌の「英雄故事」以外何の関係もありません。
正直残念です。
ジャッキーの娘役のオーヤン・ナナが学校で白人女性とカンフーアクション風の乱闘をするのでそこの違和感の凄さがある意味見どころになっていますがもうちょっと頑張ってほしかったですね。
エンドロールで「次回作を撮ろう」と言っていたので次回作があるのであれば本作を補完するような内容になる事を期待しています。
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