おはようございます。すうぇっとジャージです。
今回紹介するのは漫画「大使閣下の料理人」、少し前に嵐の櫻井翔さん主演でドラマ化もされた作品です。
結構前にモーニングで連載されてた漫画なので最近の人は知らないと思いますが、今回は「大使閣下の料理人」の魅力を紹介していきます。
漫画オススメ、「大使閣下の料理人」を読んで世界と時代に目を向ける。
大使閣下の料理人は1998年~2006年まで「週刊モーニング」で連載されていた漫画です。
作画は「かわすみひろし」先生、原作は「西村ミツル」先生。
西村ミツルさんは「信長のシェフ」や「グラメ」などドラマ化された多くの料理漫画の原作を書かれている方です。
※信長のシェフは現在は原作をされていません。
他の漫画でオススメは「ヘルズキッチン」ですね(雑誌廃刊により打ち切り)。
ヘルズキッチンは同じ人が原作を担当したのか疑ってしまうほどぶっ飛んだ内容です^^;
大使閣下の料理人は大使公邸での料理人経験がある西村ミツルさんの経験をもとに書かれたマンガだそうです。
最近は大使閣下の料理人が連載されていた当時よりもさらに国際化が進んでいるので、今こそ読むべき漫画だと感じています。
大使閣下の料理人の魅力
大使閣下の料理人を読んで好きだった部分を紹介していきます。
今回紹介する漫画はモーニングで連載されていた作品なので、ドラゴンボールやワンピースのようなバトル漫画とは雰囲気が全く違って万人にはまる内容ではありません。
政治的な内容も含まれているので毛嫌いする方も出てくるかもしれませんね。
大使閣下の料理人の背景・舞台
大使閣下の料理人は主人公の「大沢 公(おおさわ こう)」がベトナムの日本大使館に駐在する倉木大使の料理人になることから始まります。
序盤はベトナム人の助手のホアさんに助けられながら、料理で倉木大使の外交の手助けをしていくというお話です。
冒頭に書いた通りかなり政治的な内容が強いので拒否反応を示す人もいるかもしれませんが、作中の政治的な内容は連載当時の小泉政権をモデルに書かれています。
一応フィクションという事で人物名は少しいじられていますが読めば「あぁ、あの人ね。」とわかる程度の改名です。
この作品では、実在した昔のフランスの外交官タレーランの提唱した食卓外交がテーマになっています。
実際に公邸での会食がどれほどの効果をもたらすかはわかりませんが、他には全くないジャンルなので非常に読みごたえがあります。
序盤の舞台はベトナム、その後日本の倉木邸専属の料理人になり世界を渡り歩きます。
アメリカやフランス・ロシアなど国名も出てきますが、「ちゃんと国名を書くとマズいかも~。」って国は国名がぼかされています。個人的にはこの表現は好きですね(笑)
本当に全体を通して面白い作品ですが、特にどの部分がオススメかと言うと
- お金がない他国の大使館の宴席を助ける回(バナナ美味しそう)
- アメリカに会食の助っ人に行く回(第一線を張ってる人間は違うぜ!!)
- エリゼ宮で料理をする回(これが世界の最高峰か…)
正直言って絞り切れないので、あえてこの3つに絞ってみました。
「食事を苦痛に感じる他国の大使を持て成す回」や「ポルトガル編」も好きですね^^
ポルトガル編を読んで私は「バカリャウ」を知りました、まだ実物を食べたことはありませんが和食の「棒ダラ」に似ているそうで、「バカリャウ」を使ったエピソードは「信長のシェフ」の中でも出てきます。
大使閣下の料理人の料理
料理漫画なので当然「料理」が魅力的です。
大使公邸で行われる会食で料理が出てくるのは当然ですが、作中では会食シーン以外で露店料理や現地の郷土料理などがたくさん出てきます。
その中には自分でチャレンジしたくなるような料理(レシピ有)もあり、ベトナムの現地駐在員の古さんがダイエットをする回で出てきたカッテージチーズは実際に試したことがあります。
現地の郷土料理系で言うとタイ編でイサーン地方の料理で虫を食べる文化などが紹介されています。
大使公邸でのきれいな料理もそれ単体でもちろん魅力的ですが、何気ない外国の日常料理があるなかで描かれているからこそ更に気品あふれて見えるのかもしれません。
主人公の大沢 公はフランス料理の料理人ですが「和・洋・中」だけではなくあらゆるジャンルの料理が出てくるので読んでいると外国に行ってみたくなるのもこの漫画の魅力でしょう。
大使閣下の料理人のストーリー
完全な偏見ですが料理漫画は「料理だけちゃんと書けてればいいでしょ。」と言った感じで、ストーリーがかなり雑な作品も多いです。
しかし大使閣下の料理人は原作者ご本人の体験をもとにしている事と、実際の時事ニュースをもとにしているのでお話自体も面白いです。
特に政治的な心象を左右するようなエピソードも多くあるので、おそらく相応の配慮をするために練られているのかなぁと感じました。
緊張感のある政治エピソードの後の日常回は特にその緩急にほっこりした印象があります。
これは文庫版などで一気読みするとわかりやすいですね。
大使閣下の料理人を読んで学ぶ「価値観が違う」という事
大使閣下の料理人は外交をテーマにした漫画なので価値観の違う人間同士の交渉が描かれています。
しかし価値観が違うというのは公邸で外交をする大使達だけではなく、日常を生きる私たち一人一人も全く違う価値観を持っているという事が如実に描かれています。
もちろん生まれた国が違えば考え方も違うのは当然です。
しかし作中では同じ国(日本)の人間同士でも価値観が全く違い相いれない様子が描かれています。
それは料理人関しての認識の違いという一個人の価値観の相違から、立場・派閥争いなど読んでいて非常に考えさせられる内容になっています。
ただそれを価値観が違うからと跳ねのけるのではなく、それでもすり合わせて生きていく事の重要性が描かれた作品だと考えます。
近年一層進む国際化の中で、一度は読んでおきたい名作「大使閣下の料理人」の紹介でした。
まとめ
政治的な内容を含んでいる「大使閣下の料理人」、人によっては鼻で笑う人もいるかもしれません。
しかし料理という一味違った切り口から漫画を読んで国際化を学ぶという事に置いて、これ以上のものはあまりないと考えます。
私は文庫本で所持しているので全13巻ですが、そこまで多くはないので時間のある時の読んでみてはいかがでしょうか?