有名アミューズメントパークや有名飲食企業で有名なやりがい搾取。
もはや日本のお家芸と言えるぐらい全国的に浸透した文化になっています。
実際にやりがい搾取がどのようなものかを考えた時に「自分がツライ」というのを言い出しにくい状況を作り出しているという点があります。
今回は複数人の方に今まで経験したやりがい搾取の被害経験についてインタビューしてみました。
筆者自身やりがい搾取の温床であるサービス業に15年以上従事していた経験があります。
もし今やりがい搾取に苦しんでいる方、またはやりがい搾取を受けているかもしれないと感じる方がご一読ください。
個人的な意見としてはやりがい搾取をする職場というのは
職場環境が腐っている状況なのですぐに転職することをオススメします。
やりがい搾取は日本の悪習、他人に強要される仕事にやりがいはいらない。
職種によって色々だと思いますが、
今回のインタビューを通してやりがい搾取の被害にあっている時は全職種で共通点があります。
やりがい搾取の共通点
- 疲れすぎていて思考力が低下している。
- 周りもツライからツライと言えずに雰囲気に流される。
- 「私の方がもっとツライ」という意味不明なマウントの取り合いが起きる。
- 体力がなさ過ぎて上司に意見する気力も出ない。
- 第三者の意見が耳に入らない。
- 給料が少ない、休みがない。
多分これを見て「わかる~」と声が漏れている方もいるはず。
現場の仕事量と労働力が釣り合っていない状況でやりがい搾取が起きるようです。
極端な話「洗脳されている」状態といえるでしょう。
疲れすぎていて思考力が低下している。
疲れているだけでやりがい搾取とは言えませんが、被害を受けた方は一様にこの状況であったと回答しています。
- 慣れない環境
- 異常な残業
- スケジューリングの出来ない職場
- 異常に高い理想・目標を掲げている
これらが思考力が低下するまで疲れる元凶といえます。
疲れて思考力が低下している状況の場合、「今の状況がそこまで悪い状況じゃない。」と思い込まされる下地が出来てしまうので他の職場と比較する基準がない、転職経験のない人は特に注意した方がいいです。
現代の日本では「サービス残業はあって当たり前」という意味不明な思想が蔓延しています。
本来仕事の対価として給料があるので、サービス残業というのはあり得ない事です。
そこら辺を考えてか「年俸制」の給料形態などが出てきましたね。
社員は定額使い放題プランじゃねーんだぞ!!
このような名言も飛び出すぐらい残業が多い職種もあるようです。
スケジューリングが出来ない職場
納期がある仕事や、当日の業務内容に合わせてスケジュールを組む必要がある場合でも、場当たり的に仕事を進めてしまう職場もあります。
そんないちいち綿密にスケジュールなんて立てられないよwww
そんなことを言われた経験がありますが、スケジュールを立てるという姿勢がない職場は筆者の経験上だいぶやばいです。
そういった職場は各々の社員が「これぐらいいいか。」と適当な仕事をするので、本当に帳尻が合わない事態になることもあります。
「これぐらいいいか。」でスケジュールが破綻して困った事
- 他の部署に対応可能か確認を取らないまま先方への返事
- 期限を決めていないので倉庫の点検をしない
- ダブルブッキング
他の部署に確認しないで返事するのなんかどうやって事態を収拾したか覚えていませんが、凄い大変でした。あちこちにメチャメチャ頭を下げたことだけは覚えています。
これはその社員が問題あるだけでは??
スケジュールをしっかりと立てるという考えを共有しておかないと、他の人間のスケジュールも考えなくなるので強烈にしわ寄せを食らう人間が出てきます。
クタクタになって事態を収拾した後に
私さんがいると本当助かるよ!!頼りにしてる!!
こんな風におだてて解決しようとしてきたらこれは完全にやりがい搾取です。
根本を直そうとしない職場は必ず同じことを繰り返します。
異常に高い理想・目標を掲げている職場
職場の上司が異常に高い理想や目標を掲げていたら超注意。
宗教じみた奉仕を求められたり全く良い事がありません。
充分な人手を揃えてちゃんとしたスケジューリングするなど、掲げている理想を目指すにふさわしい職場環境を整えているのであれば働いている方も頑張れると思います。
別に世界一のサービスを提供するとか、世界一の顧客満足を目指してもいいと思いますが、客と一緒に酒を飲んで働かなかったり、リソースに見合わないほどサービスを拡大したら破綻しますよね。
現状に見合ったも苦行設定をできない人間は、下の人間の無理な労働で理想との乖離を埋めようとしてくるのでやりがい搾取一直線です。
周りもツライからツライと言えずに雰囲気に流される。
昔一緒に働いていたアメリカ人やスウェーデン人に言われたことがありますが、日本人は我慢強すぎるようです。
職場で全員がしんどい状況になっていても
「自分だけツライって言いだすとおかしい、恥ずかしいかも。」と考えて気持ちを飲み込んでしまいます。
オッサンになった今では空気を読まずにだいぶズバズバと言えるようになりましたが、
若い頃は「仕事が中途半端な自分がそんな事を言ったらわがままな奴だと思われて、人間関係が上手くいかなくなるかも…。」と考える事もありました。
とかく日本人は周りの同調圧力に屈して意見を言わなくなることも少なくありません。
どのような仕事でも不当な扱いを受ける理由にはなりません。
「私の方がもっとツライ」という意味不明なマウントの取り合いが起きる。
冗談のようですが、真剣に「私の方がもっとツライ」でマウントを取り合っているような職場は完全にやりがい搾取の環境が整っています。(筆者実体験)
また職場の雑談で「私の方がツライ自慢大会」が行われるような会社もかなりマズい。
30代の後半以上で真剣に「つらさ」のマウントを取り合っているようなおっさんがいる場合は、そのおっさんが「ツライ=頑張ってる」の空気を作り出しているので万が一部下になったらめっちゃ搾取されます。
体力がなさ過ぎて上司に意見する気力も出ない。
不当な扱いを受けた場合はハッキリと上司に意見する事が重要です。
ただ過剰な労働時間やサービス残業が続くとそんな気力は全くなります。
無気力な状態で人に仕事を押し付けるしかできない声がでかい上司に詰められると自分が間違っているように感じるので言いなり状態になってしまいます。(いわゆるガスライティングですね。)
通常はそこで「仕事やめようかな…。」という考えになるのですが、実際に辞められると経営者は困るので、やりがいを感じるような言葉を繰り返し聞かせてくるようになります。
寝て起きて仕事して帰って寝る。これだけの生活は自分が望んでいないのであれば完全な搾取状態です。
第三者の意見が耳に入らない
やりがい搾取を受けている時はなぜか異常に視野が狭くなっています。
第三者から見れば「なんでそんな扱い受けてるのに仕事続けるの??」という状態でも、目の前の仕事と搾取してくる会社の評価にしか目がいかなくなっているので外からの意見が全く入ってきません。
何度かそういった知人に「仕事の紹介するから今の仕事はやめた方がいいんじゃないのか。」と提案したことがありますがちゃんとした会話になるまでかなり時間がかかりました。
給料が少ない、休みがない。
これは典型的ですが業務内容に比べて給料と休みが少ない事。
立派なお題目を唱えていようが給料をしっかりと払えないところは話になりません。
昔からよくある話ですが「面接に行ったら募集要項とまったく違う待遇だと言われた。」というのをよく聞きます。
そもそもこれが笑い話になっているのがおかしいのですが、ハッキリ言って失礼極まりないですよね?
某フィットネス系会社が有名。
人間として生活していくうえでお金は絶対に必要なものなので
キレイ事を言って給料を削減しようとする会社は詐欺師のようなものです。
やりたい仕事だからと言って我慢する必要はない。
全ての人がやりたい仕事をやっているわけではないので共通点として挙げることはしませんでしたが、
やりがい搾取でよくあるのが「やりたい仕事なんだから我慢しろ。」という考え方。
これは労働の対価として報酬を得るという仕事の本質から外れているので議論するまでもなく搾取です。
むしろ自分の希望通りにやりたい仕事に就いたのはその人の成果であるので、他人がとやかく言う事ではありませんし、それが報酬を減らす理由には直結しません。論理の飛躍も甚だしい。
ではやりたくない仕事をやっている人間の給料が上がるし待遇が良くなるという確証があるのでしょうか?
この考え方だと逆に嫌がれば嫌がるほどお金がたくさんもらえて待遇が良くなるという事になりますよね?
「やりたい仕事なんだから我慢しろ。」はこれと同じぐらい滅茶苦茶なことを言っているという事です。
反論すると「好きな仕事をしている上に金まで要求するのか。」といういかにも倫理観に反しているような扱いを受けるかもしれません。
しかしこれはただのパワハラ&モラハラなので気にせずお金と待遇の改善を要求しましょう。
転職に供えて勉強をしておくことも重要なのでしっかりと勉強して立ち回れるようにしましょう。
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