おはようございます。ぱじ山ねまきです。
コロナショックの影響などは関係なく元々インドア派のわれわれは1~2週に1本ぐらい映画を観ております。
何年か前に何かのオシャレ雑誌に特集されていた「ファウンダー」がプライムビデオの見放題対象になっていたので「お~、そういえば見てなかったな~。」と思って鑑賞しました。
結果。
胸糞
圧倒的胸糞
胸糞過ぎて逆に見てみてほしい!!
内容を含めてレビューするのでネタバレを含みます。
ネタバレしたところで胸糞っぷりは全く変わらないのですが、気になる方は読まないようにしてください。
「ファウンダー」!!あえて言おうとんでもない胸糞映画だと!!
正式な邦題は「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」。
史実をもとに描かれた映画であり、みんなが良く通っているマクドナルドが巨大ハンバーガーチェーンになるまでのお話です。
もう一回書いておきますがネタバレを含みます。
とんでもない胸糞な内容の映画を何故紹介するかというと、他の人がどう感じるか是非見てほしいと思ったからです。
当時のアメリカの風俗(ファッションやテイクアウトなどのはしりについて)をよく著していて俳優の皆さんの演技も素晴らしい。1954年頃を描いているという事も考えてか映像も無駄にキレイな加工処理だけでない感じがあります。
ただあくまでドキュメンタリー的な内容なので事実に基づいており、その事実があまりにも胸糞悪いという事です。
マクドナルドよく許可出したな!!!
結論から言うとレイ・クロックという男が創業者のマクドナルド兄弟とフランチャイズ契約をしたものの、あとから契約を反故にし札束で引っぱたいて「マクドナルド」を奪い取って、自分が創業者(ファウンダー)を名乗り「俺は成功者だ。ビジネスは非情だ。甘ちゃんには向かないね。」と言うお話です。
簡単なあらすじ
1954年のアメリカで自作のミルクシェイクマシンの訪問販売をしているレイ・クロック。
あっちに行ってもこっちに行っても売れないミルクシェイクのマシンにある日8台もの発注がきます。
レイは「8台もの発注なんて誤発注だろう。」と注文主に自分で確認の連絡をしたところ間違えではないとの事。
というのも映画の序盤でわかるのですが、当時のアメリカは食事のオーダーをしても注文が手元に届くまでは時間が非常にかかるのが一般的。
レイが販売していたマシンはシェイクを大量に作れて1台でも十分お客さんの回転率を上げられるのが売りなので、8台も使うというのは当時の常識ではありえない回転率の店であるという事になるのです。
そしてこの発注をしてきたのが、当時カルフォルニア州のサンバーナーディーノに第一号店を出店していたマクドナルドでした。
「どんな店なんだ。」と興味を持ったレイは実際にマクドナルドを見に行きました。
当時はまだテイクアウトして店の外で食べるというのが一般的でなかったようで、注文にすらあたふたしてしまう感じが出ています。
そこで出会ったので創業者のマックとディックのマクドナルド兄弟。
マクドナルド兄弟を食事に誘ってマクドナルドで取り入れているスピードサービスについて教えてもらうレイ。マクドナルド兄弟も快く教えてくれます。「他の誰にもできない。」という自負からではなく単純に人が良かったのでしょう。
「これは絶対に儲かる!! フランチャイズだ!!」
そう思った例はマクドナルド兄弟にフランチャイズを申し込んで、二転三転あったもののイリノイ州のデスプレーンズにフランチャイズ1号店を出店します。
思惑通りマクドナルドのフランチャイズは成功を収め、レイは妻に「教皇レイモンド1世」と冗談で言われるほど傲慢になっていきます。
次第に儲け主義のレイは自分でフランチャイズ店をガンガン増やしていき、品質至上主義のマクドナルド兄弟と対立することになりとんでもない胸糞展開に突入することになります。
ここから先はあまりにも胸糞で「ウッソだろッッ!!?」と思ってしまったぐらい。
ウィキペディアの情報がすべて正しいのであれば映画よりももっと胸糞な事実があったようです。
ビジネスの真理か詐欺師の詭弁か
「ビジネスは非情だ。」
そんな言葉よく聞きますし実際にこの作品「ファウンダー」にはそんな感じのセリフがたくさん出てきます。
レイ・クロックはマクドナルドのチェーンを始める前、ミルクシェイクのマシンを作るよりも前も「儲かる」と感じたビジネスには色々と手を出していたようです。
実際にその頑張りのおかげで一般人では住めないような邸宅に奥さんと二人で暮らしています。
今では死語で非常に古い言葉ですが、レイ・クロックの働き方は典型的な「モーレツ社員」タイプでさらにビジネスをかぎつける嗅覚があったという感じです。
本人の言葉で「誰よりも働いた。」という言葉が印象的に残るエンディングになっており、確かにストーリーやマクドナルドの事業展開のスピードを考えるとレイは一般人とは比べ物にならないぐらい働いたのでしょう。
「これだけ働いているのだから自分が成功しても当然だ。」
一般人が忌避するような行動も一種の「頑張り」「努力」だと信じていたのだと思います。
ただ見ていてそれが受け入れられるかと言うと全く別の話です。
途中までは飲食業の収入でなんとかやっていくという地道な努力を重ねていたのですが、ある時銀行で融資に関してモンスタークレーマーと化していたレイにハリー・J・ゾネンボーン(←超絶有能)が声を掛けてきます。
そこからレイのマクドナルドは「飲食業」から「不動産業」に変わっていきます。
ここのビジネス展開の話は非常に「なるほどな~!!」と感じ入る事間違いなしで、ゾネンボーンさんはめちゃめちゃ頭良かったんだなというのがよくわかります。(ただし善悪無し)
ハッキリ言って現在のマクドナルドの成功基盤を考え出したのはゾネンボーンだと言えます。
多分レイは一人だったら早晩破産していたでしょう。
とにかく後半はマクドナルド兄弟が気の毒になる内容ばかりになっていきます…
財を築いたレイは最初に契約した内容を破棄するために弁護士を介して話を進めます。
ここら辺はよくわからなかったのですが、アメリカはお金持ちを訴える時は同じぐらいのお金が必要になるんでしょうか?
弁護士費用の話なのかよくわかりませんでしたが、とにかく大金持ちになったレイをマクドナルド兄弟は訴えることが出来なかったようです。
最終的にマクドナルドの事業・名前を譲るにあたり「マクドナルドの売り上げの1%を永続的に兄弟に支払い続ける。」という契約をすることになったのですが
「他の交渉が難航しているので書面に残せない、紳士協定にしよう。」
※紳士協定=暗黙の了解。書面などには一切残さずお互いを信頼して結ぶ協定
ここまで約束破りまくっておいて何言っとんねんゴルァァァ!!!!!
しかしマクドナルド兄弟はここまで精神的に追い込まれていたからか紳士協定に合意してしまいます。
そしてやっぱり約束は守られません…。
やっぱなっ!!! 知ってたっ!!
もし守られていたら兄弟には年間300億円以上支払われていたそうです。
成功をただ追うのであれば正論か?
私は全く共感できないビジネス論ですが、考え方は戦争に近いですね。
やらなきゃやられる。
多分考え方にジェネレーションギャップがだいぶあるんだと思います。
自分が殺される前に相手を殺す。作中でも「ビジネスは溺れているものがいたら、その口にホースを突っ込む。」そんな感じのセリフをレイがマック(マクドナルド兄弟の兄)に言います。
人情を考えたらそんなことはできませんし、多分現実ではレイにも商売敵はいたでしょうし、自分も同じようにされそうになったのをねじ伏せてきたからそんな感じになったのでしょう。
そういった意味ではこの映画はビジネスの真理を描いてるとも言えます。
でもだからって他の人にしていいって事にはならないよね!
後半はレイの破滅を願ってしまう視聴者心理
銀行で融資がショートしている中盤ぐらいまでは「あぁ、頑張ってきたのにまだ映画半分ぐらいあるし挫折展開か…。」
ビジネスの進め方にちょっと引っかかるところはあっても「レイ頑張れ」みたいな気持ちで見ています。が。
最終的にレイは全く破滅も挫折もすること(描写)なく、ビジネスパートナーの嫁さんとダブル不倫して一緒になります。
え、挫折とかなんもないの……。
これは成功者への妬みなんでしょうか、私がひねくれているのでしょうか。
最後の30分はずっとレイの破滅を願っていました。
もし時間のある方は是非一度「ファウンダー」を見てみてください。
映画だとエンドロールでサラッと流されてるけど、マクドナルド兄弟が「マクドナルド」を奪われた後に経営した「ビッグ・M」は数年で廃業しています。
すぐ近くにマクドナルドが出来た影響もあってか…。
そしてマクドナルドが不動産業へ舵を切るきっかけになったゾネンボーンさんは後年レイとの口論がきっかけでマクドナルドを追放されたそうです。
レイ・クロック…何様…
まとめ
今回は近年まれに見る胸糞映画「ファウンダー」を紹介しました。
これが成功者への僻みなのかはわかりませんが、たった2時間の映画でひどく感情が揺さぶられたのは事実で映画としては名作です。
映画を観る価値をどこに見出すかは人それぞれなので、映画を観てリフレッシュしたい方には全くオススメできません。
primeビデオの他の方のレビューを観ると「マクドナルドを食べる時複雑な感情になりそう」などあり色々と感想はありますが、今現在マクドナルドで働いている方々・製品にレイ・クロックの人間性は関係しませんよね。
てりやきマックの味はてりやきマックです。シェイクも美味しい。
ただこの映画を観ると「人生において自分が何に重きを置くか。」というのが浮き彫りになったような気がします。
「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」を観て胸糞悪く感じるか?
ビジネスはこんなものだよと娯楽映画の一環として観るか?
あなたはどちらでしょうか。
コメント
コメント一覧 (1件)
確かに不快に見えてしまう部分もあるが実際にはマクドナルド兄弟はレイに任せっきりにしてしまっていたしレイの努力も見てはいない。
お互いの話し合いもうまく行かなかったのもあります。
もっと俯瞰してみてみればレイだって小切手を渡したがそれは何も書かれていなかったのでレイ目線から言えば弁護士費用にでも普通に報酬にでも何にでもしてくれと思ったからの優しさでもあったのかもしれない。
だが、それをマクドナルド兄弟がどう思ったかは知らない。
そして何よりこのことが公になっているしレイ自身の口から語られているだろう部分もある。
それに僕達自身はレイのおかげでマクドナルドを食べることができている。