おはようございます。ぱじ山ねまきです。
面接では企業側が応募者を判断するものと思われがちですが、応募者が企業を吟味する場でもあります。
今回は、面接の場でこの質問が出たら内定が出ても入社はやめておきましょうという話です。
面接で聞いてはいけないことがある。法律違反だから入社するな!
厚生労働省の「公正な採用選考の基本」にて、採用選考の考え方や選考時に配慮すべき事項が規定されています。
つまり、ここに規定されているようなことを聞かれた場合、内定が出たとしても入社は考え直しすべきなのです。
「公正な採用選考の基本」では、
- 応募者の基本的人権を尊重すること
- 応募者の適性・能力のみを基準として行うこと
を基本としています。
選考を進める上で、さらには入社後の待遇などにおいて偏見や差別意識を持たせないようにするためでもあります。
採用選考で聞いてはいけないこと
採用選考時に配慮すべき事項=面接や書類選考で聞いてはいけないことにはこのように規定されています。
家庭環境
- 本籍・出生地に関すること
- 家族に関すること
- 住宅環境に関すること
- 生活環境・家庭環境に関すること
思想
- 宗教に関すること
- 支持政党に関すること
- 人生観・生活信条に関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 思想に関すること
- 労働組合・学生運動に関すること
- 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
採用選考方法
- 身辺調査などの実施
- 採用選考時の健康診断
家庭環境
家庭環境や出生は、応募者本人には責任がないことでありどうしようもできないところも多々あります。
なにより、その人の人格や人生を形成する基礎部分でありプライバシーです。
それを根掘り葉掘り聞いたり否定するのは、基本的人権の尊重に完全に違反しています。
本籍・出生地に関すること
本籍は特にNGです。
今はあまり耳にしなくなりましたが、部族差別といった人権問題に発展する可能性があるためです。
面接で聞かれなくても、履歴書やアンケートで本籍地を書かせたり戸籍謄本や本籍地記載の住民票写しを提出させるのも該当します。
入社するか(というか内定も出すのか)わからんイチ応募先企業がホイホイ取ってよい情報ではないのです。
家族に関すること
採用選考時に配慮すべき事項では、「職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など」とされています。
応募者の家族の勤務先や役職や健康状態だったり、父子家庭・母子家庭ではないかだったり、子供がどの学校に通っているかということだったり。
子供が小さいとか介護が必要な家族がいるといった勤めるにあたって配慮が必要な場合、確かに企業側も考慮する義務がありますが、そこの事情を合否の理由にしてはいけないのです。
事情があっても、勤務日数や時間・仕事内容をきちんと摺合せし考えれば仕事はできます。
住宅環境に関すること
採用選考時に配慮すべき事項では、「間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など」とされています。
家は賃貸か持ち家かとか、家賃はいくらか住宅ローンはどうとかペットは飼っているかとか。
仕事に一体何の関係があんのよ。
正直、面接する側からしても聞くヤツの意図がわからない質問TOP3に入る勢い。
ただ、昨今はコロナの影響で入社しても在宅勤務になる可能性も高いので、通信状況などテレワークができる環境があるかは確認することはあります。
これは仕事する上で必要になってくるので聞かれるのは問題なし。
生活環境・家庭環境に関すること
求人によっては勤務候補地が複数あり、応募者が通勤しやすいところに配属するため大体どのあたりの地域に住んでるかを確認することはあります。
ですが、そのあたりの情報は履歴書に記載されている現住所や最寄り駅(あるいは交通手段)、通勤時間の情報があれば十分です。
履歴書に書いてある以上のことを聞いてはいけないし、聞く必要はない項目です。
思想
思想・信条や考え方は本来自由であるものであり、人によって違うのは当たり前のことです。
恋人の有無やLGBTQに関することもここに当てはまるかなと個人的には思います。
仕事をする上での考え方を聞くのは「応募者の適性・能力のみを基準として行うこと」に則しているので問題ありませんが
それ以外のことをあれやこれや聞くのは基本的人権の尊重に反することにもなるのです。
宗教に関すること
宗教関連の求人の場合は経験がないので正直わからないですが、一般企業ではどの宗教に入ってるかが必要になる場面なんてまずないです。
そのため、面接で質問することもまずありません。
宗教は生活に密接に関係しており、人のアイデンティティにも深く関わる非常に重要なものです。
宗教を発端にした戦争が長年続いている事実からも見られるとおり、宗教に関することは人権侵害や差別問題に直結しやすいのです。
支持政党に関すること
こちらも宗教と同様に一般企業で必要になる場面は全くありませんし、仕事をする上での考えや言動につながるところはありませんので面接で質問することはまずありません。
人生観・生活信条に関すること
人生プランや座右の銘などを聞かれた経験がある方もいらっしゃるかもしれませんが、本来NGな事項です。
座右の銘とか聞いたところで何を判断するのか個人的にも謎です。
特に女性の場合…
- 恋人はいるか
- 結婚の予定はあるか
- 結婚したい気持ちはあるか
- 出産後も仕事を続けるか
- 子供が体調不良になったら仕事を休むか
こういった点を聞かれがちですが、これらは男女雇用機会均等法に抵触する質問でもあります。
男性には同じ質問しませんよね?
尊敬する人物に関すること
これは今でも稀に質問してくる企業があるようですが、だめです。
尊敬する人物となりたい人物像は別物です。回答によっては、間接的に宗教に関する質問になります。
聞いたとして、仕事に関する何を判断するのでしょう?
思想に関すること
先に書いた通り、思想や考え方が本来自由であり人それぞれです。
つまり生活や生きる上で何を大切にしたいか・何が優先であるかも自由であり人それぞれです。というか違っていて当たり前です。
そこをあれこれ聞いてくる場合、その応募先企業や面接官に差別意識が強く合否判断や入社後の待遇に悪影響があるおそれがあります。
近年よく話題になるところでいうと、ヴィーガンかどうかだとかLGBTQについてが多いでしょうか(LGBTQは思想とはちょっと違うでしょうけど、当記事の中ではここが一番近いかなと)
労働組合・社会運動に関すること
労働組合の加入状況や活動歴、学生運動などのことです。
活動すること自体は自由ですし、決して悪いことではありません。
購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
愛読書は聞かれがちな質問ではありますが、思想や人生観につながるので実はNG事項です。
それだけではなく、世の中には宗教関係者が執筆した本や政党が発刊している新聞などが多く存在します。
採用選考方法
採用の選考方法といえば書類選考・面接・簡単な技能テスト(タイピングなど)が一般的です。
それ以外の選考方法がある場合、ちょっと注意しておいた方が良いでしょう。
身元調査などの実施
興信所や調査会社に依頼して応募者やその周囲の調査をしてくるようなところは絶対にNGです。逃げましょう。
身辺調査はその人の生活を覗き見て調べることなのでプライバシー侵害ですし、身元調査は先述の家庭環境や本籍・出生地を割り出される恐れがあります。
イチ応募先企業がやっていい範疇を完全に超えています。
企業側にとっても、わざわざ調査するのは費用がかかるというデメリットの方が大きいです。
それと単純に、家族や恋人にされるのだって嫌なのに赤の他人の集まりであるイチ応募先企業にそんなんされるなんてただただ気持ち悪い。
採用選考時の健康診断
公正な採用選考の基本には「合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施」とありますが、そもそも選考の段階で合理的・客観的に必要性がある健康診断ってどんなパターンなんでしょう?
応募者が納得できる理由もなく求められる場合、健康上の理由で不採用にされる可能性があります。
というか選考の段階で健康診断、はっきり言って企業側としてもいりませんね。
まとめ
気合入って長い記事になっちゃった。笑
仕事をする上で必要ないこと・関係ないことを聞かれたら要注意です。
家庭環境
- 本籍・出生地に関すること
- 家族に関すること
- 住宅環境に関すること
- 生活環境・家庭環境に関すること
思想
- 宗教に関すること
- 支持政党に関すること
- 人生観・生活信条に関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 思想に関すること
- 労働組合・学生運動に関すること
- 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
採用選考方法
- 身辺調査などの実施
- 採用選考時の健康診断
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